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4月3日
夢
yokosuka somewhere 1
子供の頃、
「大きくなったら何になりたい」と
繰り返し、大人に聞かれ
女の子は
「花屋さん」とか
「ケーキ屋さん」とか
「スチュワーデス」とか皆言ってた。
「公務員」と言った男の子がいてびっくりしていると
「ウルトラマン」とか言う子もいて、男の子ってなんと
個人差が激しいものか…と思いました。
私は
「花屋さん」にも
「ケーキ屋さん」にも
「バレリーナ」にもなりたいという夢を持ったことが無い。
小さい頃母に手を引かれてお使いに出るとき、
叔母の家に行くの電車に乗るとき
そんな風に、大人の社会を垣間見るときに
「いいなぁ…、ああいうお仕事で」と思ったのは
駅の改札の四角い箱の中で足元に小さい、
電気ストーブを置いて、切符を切っているおじさんだったり、
ガラスの引き戸の小窓の向こうの狭い所で
コタツに入って、テレビとお茶を置いて、
お客さんが来たら
小さな窓をあけて、タバコを売る、おばあさんだったり
旦那さんと交代に番台に上がって、
座布団の上に座って、ひざ掛けをかけ
斜め前に置いたテレビを見ながら
お客さんからお金を受け取ったり
シャンプーを渡したりする、 風呂屋さんのおばさん。
大きくなって、一人で母の実家の静岡に行くと
また、なりたい職業が増えた。
東海道線の静岡駅から在来線に乗り換えた
最寄り駅の 一時間の電車が2本しか来ない駅の
売店のおばさん。
冬には、待合室のストーブに
おでんの鍋をかけて売り、
夏は、カキ氷売る。
改札の前は木のベンチが並んで
そこは、待合室の様になっていて
電車から降りた人が、今度はバスを待ってたりした。
駅は一種の集会所みたいな感じだった。
電車に乗らなくても、ちょっと寄ってみるみたいな。
「朝、あれだけ言ったのに、孫が傘持っていかんかったもんで。
したら、やっぱり、雨だら?
これ、渡して、くれんかねぇ」とか。
旦那さんが駅長さんで、駅長室の奥が家。
だけど、学校を卒業しても、こういうのは学生課に
「採用」の募集が無いから、仕方なく普通の会社に入りましたっけ。
子供に頃になりたかったものに
今でも、なりたい…と言う人は余り多くはないと思いますが
…あたしは、なりたい。
という事で
今でも、こんな店があると立ち止まってしまう。
ここのご主人の奥さんになれるわけもないんだが、
私がしたいと思っていた暮らしを懐かしい思いで垣間見たい
気持ちが立ち止まらせる 。
うちの父は定年まで丸の内のサラリーマンで
お酒も飲めないので、6時半というと決まって
帽子を被って、カバンを提げて帰ってきました。
ですから、こういう暮らしをしたこともないし、
親戚にもいないのに、どうしてこうも、心惹かれるのか
不思議に思う。
出窓があって、庭にスピッツがいる友達を羨ましいと
思ったことは無いが、
母と行く夕暮れの早い冬の日の八百屋さんで
店の奥に開け放した引き戸の
畳の座敷に子供たちが、テレビを見たり、
お母さんが、ご飯の支度を始めたりするのが
見えるのが
「…いいなぁ」と思った。
多分、このお店もそんな暖かいお店の様な気がする。
では、娘を誘ってみましょう。
「あのさ、駅から帰る時に、ラーメン屋さん、あるでしょう?
今日、夜、おごってやろうか?」
「あ、いいです」
「『いいです』って何?どういう意味?
あ、いいですってなによ!!
なんで、このごろ、そう生意気なわけ?
そんな事で、人生渡れると思ってるわけ?
人が、おごってやるって言ってるのに 」
「あのね、『夜、おごってやろうか?』って
それ、晩御飯なわけでしょう?」
「そうだよ。ラーメンの後で、まだ、食べるって言うわけ?」
「だったら…それって、タダのママの手抜きで
『おごる』って言うんじゃないじゃんよ。
晩御飯を『奢ってやる』なんていう、母親どこにいんだよ」
「親に、口答えは許しません」
「とにかく、やだ。
行きたいけど、一人で入る勇気がないんでしょう?
どうして、ママって、ああいう店が好きなわけ?
『行ってください』って頼むんだったら、行ってもやってもいいよ。 」
ちょっと前までは、
ラーメン食べると言えば喜んでついて来た癖に
何言ってんのよ 。
一人で行くからいいよ。
入って見ると、
……お店の中はこのテーブルが一つ。
テーブルのすぐ向こう側はこのような引き戸で、
すぐ、お店の人のおうち…。
テーブルのすぐ横は、こう。
なんか、おばあちゃんの家で、ごはん食べてるみたい…。
メニューはこれ。
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お店のご主人に、断って
写真を撮らせて頂きましたが
「写真を撮りたい」
というお客さんが多いんだそうです。
ここは、お母さんの後を継いで、息子さんが一人で、
お店をしてらっしゃるそうです。
昔は、お母さんがこっちのスペースで
大判焼きも焼いていたそうです。
その時から、お店はそのままで
直したりしてないそうです。
きっと、何十年か前には、この引き戸の向こうの
座敷で、お母さんが働いているのを
見ながら、兄弟でプロレスの技とかかけて
遊んでいたのかもしれません。
今は、お母さんはお仕事をやめたそうで、
息子さん一人で、お店を切り盛りしていますが、
暮らしの歴史は、そのまま懐かしさとして
お店に残り、それが人を引き付けて
見知らぬラーメン屋の、引き戸を引かせるのでしょう。
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なんだか、私って、テキパキ働くというのが不得意で
どうも、旦那さんが働いている所で
半分眠ったように、店番してるっていうのが好きらしい…。
家事もしながら、…洗濯干したり、布団を取り込んだり
風呂掃除したり しながら時々お店に出る奥さん。
「喋れるだけ、猫よりはマシ」ってだけの店番だから
とても、
「あそこは、旦那はグウタラだけど、奥さんで もっている。
働き者の良い奥さん貰ったもんだ。」
と言う風にはならない。
家とご主人の職場が近いというと
開業医もそうだと思いますが、どういう訳だか
開業医の妻になりたいと思ったことは無い。
なんか、最初は、
「病院と医宅は別。勤務医と同じ生活をさせる」
とかいう約束だったのに、だんだんと、
保険の請求とか、看護婦さんのお給料の
計算とか、 私が、最も苦手な「書類を無くしたらいけない」という
種類の仕事をさせられそうで。
お父さんの代からいた、半分親戚の様な、
家の事情にも詳しい看護婦さんとかに
「役に立たないわね!」とか苛められそうだし。
「ホントはね、若先生には、あなたなんかより、
もーーーっと良い縁談があったんですよ」
とか、姑の手先になって言われたらムカつくし。
開業医の妻になった人と、この前電話で話をしました。
「ホントに嫌よう。朝、ごはん食べて、9時の診察で
下に降りるけど、お昼に又戻ってきて、ごはんでしょう?
それで、3時まで、休憩なのよ。
お昼寝しちゃう時もあるから
3時になったら起こして、お茶出して、
やっと下に行ったと思ったら5時で診察終わりでしょう?
又、すぐに上がってきて
晩御飯でしょう?
通勤時間無しだもん。……ずっといるのよ。
その間にも会計事務所の先生が来たり、薬屋さんが来たり…」
「…大変ねぇ…」
としか言えませんでした。
「やっぱしね…」とは。
駅長さんの妻だって、お風呂屋さんの妻だって、
夫がずっといるし、通勤時間ゼロなのは同じだな。
そっか…駅の売店のオバサンになれるか、
お風呂屋さんの番台のオバサンになれるかより
その駅長さんとか、お風呂屋であるところの旦那さんが、
ずっと、通勤時間もなしに
一緒にいても、嫌じゃないか…の方が問題なのか…。
なのに、この頃、なりたい職業が又増えた。
古本屋さん
しかし…、今ではすっかり姿を消した タバコ屋さんは
「婆さん」と決まっていたように
古本屋さんって「爺さん」なんだよなぁ。
じゃいいや。
お昼んなったら、ごはん作ってくれて、 手がかからなくて、
話が面白いけど、お喋りじゃない 古本屋の旦那の奥さんで
私は時々、本にハタキとかかけて、後は茶の間でお茶入れて
好きな本読んでてもいいんだったら
もう、極楽 。
こんな事ばっか、考えてっから
パートの面接行けないんだよなぁ…。
「あの…テキパキ働かないと駄目でしょうか?」って
駄目に決まってんじゃんよ。
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