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6月26日

主婦の夢

 

主婦は皆思っています。

もう、ハンドバックも洋服も要らない。

毎日のご飯作りから開放されたい。

 

うちの母親は78ですが
この歳になってもご飯作りからは開放されない。

それで文句言ってる。




じぃじが、お昼になってもご飯にならないので

「おい、ごはんは?」と一言 言おうもんなら

 

「もーーー!!ごはん、ごはんって うるさいわね〜」

ひどいよねぇ…。

「もう、三日も なんにも食べてないみたいに…」
とも言った。

「ご飯は?」って…一言 言っただけなんだよ。
うるさくないじゃんねぇ。


「さっき、食べたばっかでしょ。」
あ、まだ、言ってる… 。

さっき…って、朝ごはんじゃん。

ばぁばの方が よっぽどうるさい。

 

良く一人でこんだけ喋れるよな。

橋田寿賀子ドラマみたい。

 

「渡る世間は鬼ばかり」を見て

「…一人でこんなに長く喋るなんて有り得ない。
それを相手が、相槌も打たずに、じーーっと聞いていて、
喋り出したら、今度はその人が
延々と喋るなんて事、あるわけない」
と思ってたけど。

 

あるじゃん…。

だけど、橋田ドラマと違うのは
延々と喋り続けているのを誰も聞いてない。

 

聞かれてない方もなんとも思ってないらしく
話とは何の関係もない事を
「今日、サミットでバターが198円だって」
と言うと

「一人一個?じゃ、皆で行く?じぃじも連れてくか…」
とか会話内容が 変更になる。

今の今まで、罵倒してた人と
なんの不思議も無く バター買いに行こうと
思うのも不思議。

母 「じぃじ、バター 198円だって。」
父 「お、そうか…。」
母 「じぃじさ、帽子被って一回買って、そんで次に
   帽子脱いで買ったら、2回買えるよね。
   違うレジに並んだら、10個だって買えるよ。
   ……あたしは、駄目だけど」
父 「そっか。そうだな…。そうするか。」

……なんと素直な…。

(母は
『あたしは駄目だけど、じぃじは平気だからやりな』
という ような事を、いつも言っている。

あたしは、『ひでぇなぁ…』 と思うが
従妹は
「……あははーー。おばちゃん、かわいいーー」っと言っている。

…どこが?)

 

 

…っていうか、83のじぃさんが、バターひとつだけ持って
スーパーのレジを通ったら、
変装しても、しなくても
ばぁさんの手先になって買わされてるのは
バレバレなんだよなぁ…。

おんぶしてる赤ん坊に卵1パック持たせて
隣のレジに幼稚園の子供二人に 100円玉握らせて
ひとつずつ持たせてるようなもんだよ。

 

…で、もっと不思議なのが、


母はバターを食べない。
(マーガリンが体に良いと信じている為)

ケーキを焼くと、バターはいくらあっても足りず
198円バターが欲しいのは
あたしなんである。

んで、
「やーねぇ、そんなにして、買っちゃって…」
と言っている私に

…山盛りになった、バターをくれる。

ありがと。


でも、人目ってもんがあるから
あたし、スーパーの台で
一人一個のバター
15個貰いたくない。

だから、そっと隣の台で袋詰めしている。

「ママ、ほら、バター」
とか言うのをシカトしていると…

籠持ってきて…

「お嬢様…バター、どうぞ」とか言ったりする。

空気ってもんを読めない奴だ。

じぃじは、母ほど、空気を読めなくはないが
籠を押し付けている、母に

「家に帰ってから、やればいいだろっ!
ここじゃ、なんだから…。
バターは、家に帰ってから!バターは…」と
大声で言うので同じ。

 

あ、また、話がずれた。

あたくしの母がいかに変か…の話じゃなかったんだ。

ご飯作りが嫌だ…って話。

 

毎日、掃除してるのに、キッチン 毎日汚れる。

換気扇のフィルター、マッチ近づけたら、火がつきそうだし。

床に米、こぼれてるし。

切ってる時に落とした胡瓜の輪切り、
ふんづけちゃって、床にはりついてるし…。
あ、押し花みたい。

冷蔵庫の中、ケチャップが たれたの固まってるし…。
ガビガビ。

もーー、なんなんだよーー!!

この台所はーー!!

もう、早く、ごはん作りから開放されて
一度片付けたら、二度と、メチャクチャにならない
キッチンになりたいーー。

 

…と思い続けた私ですが、案外早くそれは訪れました。

学校の休みとかで子供たちが母の所に泊まる日が続いたら…
私は、あまり、ごはんを食べないので
朝、コーヒーを入れたら、キチンは、そのままきれい。

夫は晩御飯を食べないから、
私は、お菓子を食べたり、パン食べたりして
キッチンきれい…。

う…うれしい…。


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と思ってたら…。

使っていないキッチンって、
どうも変。

汚れてないし、きれいなんだけど
何か変。

メチャクチャに汚れたのを片付けたキッチンとは違う綺麗さがある。

なんと表現していいのかわからない。

空気が流れてない…というか。
水が流れてない…というか。

あ、家って、使わないと死ぬんだなぁ…な感じ。

使っていてバッチイ キッチンは生きているが
使わなくて綺麗なキッチンは息をしてない感じ。

それが、何日か続くと
「…あたし、ごはんも作らなくて、基本的人間失格じゃないか」
とか思う。

「ハードボイルドみたいに、
酒とタバコで生きてるみたいになってもいいのか?

冷蔵庫開けたら、ビールとグラスしか入ってない
みたいなのでいいのか? 」
とか

「こんな生活してたら
そのうち、マレーネ デートリッヒみたいに
昼間でも、ゾロゾロした寝巻着て、
三日月みたいな眉毛描いて、赤い口紅
塗りたくなるんじゃないか…」
とか思ってくる。

 

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今はまた、5時に起きて、ぼーーーっとした頭のまま
自動的に弁当を作り、弁当の残りのおかずで
朝ごはんを作り、
家族が出かけた後に、片付けてゴミも捨て
床も拭いたキッチンは
夕食後には、
また、メチャクチャになる。

外出先から帰ってきてくたびれてるのに
嫌々、仕方なく…体を引きずるようにして
夕食の買い物に行き、

やりたくないけど、時間になるから
これまた、イヤイヤ作る…。

 

こうやって、せっかく磨いたガス台に油飛び散らせながら
ご飯を作って、文句を言っていますが

『やらなくても良い』と言われると
なんとなく落ちつかない…という 事がわかりました。


はい、どーーぞ、食べてください。

この後、食器洗いがあるし。
洗剤で、泡だらけに洗っても
ゆすぐとヌルヌルしてる、 弁当箱洗うの大嫌いだし。

だけど、いやだ、嫌だと思っていたことも、
実は毎日の生活に必要だったことがわかりました。

もう、あんまり、文句言わないようにしたいと思います。

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母に、この話をしていさめましたが

「あたし…、その太ってるハードボイルドでいい。
なんだっていい。じぃじのご飯つくらなくていいんだったら」
という事でした。

反省の無い女ですわ。

じぃじのごはん…たって、うどん茹でるとか、
じゃがいも煮るとか だけなんだよ。

「一汁一菜?
ここ禅寺?」
と母にイヤミを言ったら

上機嫌で
「そーー、そーー、そう!!
この前、テレビでやってたけど、
『○○上人』なんて、50歳の時にお水だけで
何ヶ月も暮らしたんだってよ。
じぃじなんか80過ぎてもまだ、ごはん、ごはんって… 」
と言いました。

…『ナントカ上人』って、それ、即身仏になったお坊さんじゃんよ。

 

じぃじに…
「 今、刑務所だって、おかず2つはつくらしいよ。
でも粗食が体にいいらしいよ。 」
と言ったが、慰めになったかどうか…。

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あ、この おつゆね、
出しは「ほんだし」だし、塩・酒・醤油に
48円の豆腐が はいっているだけの、なんの芸もないもんです。

夫が、良く、汁物に唐辛子とか胡椒を
入れるので、私も真似してみたら、美味しかった。

でね、山椒をいれようかと思ったけど
無かったから、胡椒をいれたら
…おいしいんだよーー。

嘘じゃないよ。…やってみ。